●第50回在京白堊回総会プレイベント●    

第2回「先輩を囲む会」メモ


第50回・在京白堊会総会のプレイベント「先輩を囲む会」の第2回が10月21日、東京の新宿区・戸塚地域センター内会議室で開かれました。

ゲストは元文芸春秋「Number」「オール讀物」編集長で現岩手県人連合会会長の鈴木文彦さん(S40卒)。折からの台風21号接近に伴う雨天にもかかわらず、S25年卒の及川昭伍さんから、H27卒の三船恭太郎さんまで幅広い世代の26人が集いました。会場には、鈴木さんが資料として持参された「Number」「オール讀物」のバックナンバー、山田風太郎や藤沢周平など担当編集者を務めた作家に関する書籍が展示されました。

鈴木さんのお話は、司会藤澤貢君のインタビューと、折々の参加者からの質問に答える形で進みました。野球少年だった中学時代から一高入学にかけての話を皮切りに、倉庫番≠ナ始まった新入社員時代や世評高い雑誌「Number」にまつわる話、文芸春秋の社風や文化を巡って、さらには編集者として、曲者′ワ味康祐などの作家との関わりについてなど、広範に及びました。鈴木さんのお話からは、常に変わらぬ真摯なお人柄と、その時々の対象に情熱を持って向き合ってこられた姿勢の正しさ≠ェ伝わってきました。ひとつひとつのエピソードについて、記憶を紐解き、状況や心境、五感のとらえたものに至るまでを正確に語ろうとする、描写への意欲≠ニでも言うべきものは、さすがに「名編集者」と謳われた鈴木さんならではと、あらためてうならされました。 鈴木さん、貴重なお話、ありがとうございました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

鈴木さんは最後に、芥川賞、直木賞に言及しました。今年上半期の芥川賞を受賞した盛岡在住の沼田真佑さんを言祝ぎ、豊かな才能を持っていると将来を嘱望し、同時に直木賞を受賞した佐藤正午さんへと話が及びました。授賞式に異例の欠席で、奇人≠ヤりが話題となる佐藤さんについて、そのエッセイの一節を引き、小説家には「話芸」が大切であること、表現とともにストーリーを構想する力が必要であることを述べました。極言すれば、「小説家とはいかに本当っぽい面白い嘘をつくかである」という趣旨の話で会を締めくくりました。お父上である作家の鈴木彦次郎さん(T5卒・1898-1975)は、相撲や芸能などを素材に小説を書かれましたが、ある種の「型」を持った世界に美を見出す眼差しを持っていたのではないかと思います。「型」は技へと通じ、それは小説家の場合「嘘」の技巧や技量ということになるのかも知れません。彦次郎さんの名作『常磐津林中』の神髄は、文彦さんの眼差しへと流れ込んでいるように感じられました。

第3回「先輩を囲む会」は、すでにご案内しておりますが、ゲストに、起業家でニュージーランド在住の及川孝信さん(S60卒)を迎え、11月11日(土)、新宿区・戸塚地域センターで開催する予定です。みなさまのご参加をお待ちしております。
 
 

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