●第50回在京白堊回総会プレイベント●    

第7回「先輩を囲む会」メモ


在京白堊会プレイベント「先輩を囲む会」の最終回第7回が、3月31日、みやこうせいさん(S31卒)をゲストに東京都文京区の文京シビックホール会議室で17名が参加して行われました。



エッセイストでフォトアーティスト。著書、翻訳絵本、写真集など多数。児童福祉文化賞、芸術騎士十字章(ルーマニア)。 最近ルーマニアで出版された写真集に、モノクロ版「わたしのマラムレシュ」とカラー版「世界の中心マラムレシュ」があります。前者は「ルーマニア最も美しい本のコンクール」選考25点の一冊、デザイン・写真2部門で入賞。

《みえるものみえないもの》 というテーマでお話しいただいた内容を以下まとめさせていただきました。

■ルーマニア・マラムレシュとの出会い
6年間書評誌の会社に勤め、その間、中勘助、金田一京助など、様々な人々と会う。 辞職後東京でモスクワに住んでいたある学生と出会い、彼の勧めでモスクワに行った後、パリへ向かうことになるが、その途中ウクライナの国境を越えてルーマニアに入り、そのことで人生が一変した。 ルーマニアの村マラムレシュには、原ヨーロッパと呼ぶべき暮らしと風景が残っていた。岩手の県北や沿岸地域と変わらないフォークロアの世界がそこにあり、違和感なくすんなりと入っていけた。 マラムレシュの人々は温かく、食事やお酒、踊りを共に楽しみ、また別れの時には本当に涙を流して別れを惜しんでくれた。 そんなルーマニアに魅了され、それから52年通い続けている。次回の訪問が180回目となる。

■ペレジヴァーニエ〜他人の苦しみを苦しむ〜
ロシア語に「ペレジヴァーニエ」という言葉がある。「他人の苦しみを苦しむ」こと、「他人の思いを思う」こと。日本語にはこれに相当する言葉はないが、沖縄方言の「ちむぐりさー」は同じ意味。英語では"feeling"にあたる。 世界の現象に悩むとでも言うべき態度。 対象に対して「好きだなあ」と思い「あなたは私」と思って写真を撮る。何度もシャッターを切るのではなく、対象に対した際に、文章にしたらどうなるかと5分くらい考えて1枚だけ写真を撮る。 そうすることでみえないものが写る。

■アレクサンドル・ソクーロフ〜視覚と聴覚のの連続性ということ〜
親交の深いロシア人映画監督のアレクサンドル・ソクーロフ。彼の「精神の声」という映画を観て感覚が変わり、より対象に深くコミットするようになった。 柳宗悦に「自他同一」という言葉、またハイデガーに「私はあなたである」という言葉があるが、これらと同様なコミットの仕方である。 この映画を通して視覚と聴覚の連続性ということを考えるようになる。音と視覚が混然となる場合があり、聴覚の大切さを自覚する。 日本は音がうるさすぎる。

■若さを保つ秘訣 「みやさんには80歳とは思えない若々しさがありますが、その秘訣は何ですか?」との質問がありました。 そのこたえは「好きなことがあって、惚れ込むこと」だそうです。 みやさんはとても幅広い知識と教養の持ち主で、それぞれに詳しく情熱的ですが、そのような内面からのエネルギーが若さを保つポイントなのだと感じました。

■温故知新
フランスの人類学者レヴィ=ストロースは「全ての現象は過去にある」と言っている。 ドイツでは子供達への教育の中で過去の戦争の歴史をきちんと教えているが日本はそれをやっていない。歴史を検証する場がない。このことは日本の将来の大きな不安材料である。

■懇親会
場所を変えて集まった懇親会にはみやさんを含めて11名が参加しました。和やかな談笑の中、みやさんの出身校である下中(下の橋中学校)の校歌が歌われるなど、楽しいひと時を過ごしました。



*「先輩を囲む会」はおかげさまで無事最終回を迎えることができました。快くお引き受けいただいた先輩の皆様、ご参加くださった同窓の皆様、またFBでその様子をお読みになっていただいた皆様に深く感謝いたします。 ありがとうございました。
 
 

↑トップページ